
【印刷用紙の種類と選び方】コート紙、マットコート紙、上質紙、色上質紙、レザック66を徹底解説
印刷物の仕上がりは、デザインだけでなく「どの紙を選ぶか」によって大きく左右されます。用紙の種類は数多くありますが、それぞれの特徴を理解することで、より効果的で魅力的な印刷物を制作できます。
このコラムでは、弊社で取り扱う代表的な印刷用紙であるコート紙、マットコート紙、上質紙、色上質紙、レザック66について、それぞれの特性、メリット・デメリット、最適な用途を印刷のプロが分かりやすく解説します。あなたの印刷目的に合った最適な用紙を見つけるための参考にしてください。
目次
コート紙:写真やカラー印刷を鮮やかに表現する万能紙

コート紙は、紙の表面に特殊な塗料(コート剤)が塗布されており、光沢がありツルツルとした手触りが特徴の用紙です。この加工により紙の表面が非常に平滑になり、インクの吸収性が抑えられるため、インクの発色が非常に良く、写真やカラー画像を鮮やかに表現できます。フルカラー印刷のパンフレット、ポスター、チラシ、書籍の表紙など、幅広い用途で最も一般的に使用されています。
コート紙の厚み(連量)について
印刷用紙の厚みは「連量(れんりょう)」という単位(kg)で表されます。これは、四六判(788mm×1091mm)と呼ばれるサイズの紙を1000枚積んだ時の重さを示しており、数字が大きいほど紙は厚くなります。コート紙の主な厚みは以下の通りです。
| 連量(kg) | 一般的な用途例 |
|---|---|
| 63kg / 68kg / 73kg | チラシ、フライヤー、薄手の冊子の本文 |
| 90kg / 110kg | パンフレット、チラシ、ポスター、雑誌の本文 |
| 135kg | ポスター、名刺、ポストカード、冊子の表紙 |
◇使用例: 商品カタログ、会社案内、パンフレット、ポスター、雑誌など、写真やイラストを多用し、鮮やかな色彩を求められる印刷物全般。
マットコート紙:落ち着いた質感で高級感を演出

マットコート紙もコート紙と同様に表面に塗料が塗布されていますが、こちらは光沢を抑えたマット(つや消し)な質感が特徴です。触り心地はコート紙よりやや滑らかさに劣るものの、しっとりとした上品な手触りがあります。
コート紙と異なり、表面の光の反射が少ないため、照明の下でも文字や画像が読みやすく、指紋が目立ちにくいという利点があります。また、ボールペンなどで書き込みやすい点も特徴です。フルカラー印刷でも落ち着いた発色となり、重厚感や高級感を演出したい冊子やパンフレットに多く使用されます。
マットコート紙の厚み(連量)について
マットコート紙の厚みもコート紙と同様に連量(kg)で表現されます。コート紙と同じ連量でも、マットな質感のため視覚的に厚く感じられることがあります。
| 連量(kg) | 一般的な用途例 |
|---|---|
| 63kg / 68kg / 73kg | チラシ、フライヤー、薄手の冊子の本文 |
| 90kg / 110kg | パンフレット、チラシ、雑誌の本文 |
| 135kg | 名刺、ポストカード、高級感を出したい冊子の表紙 |
◇使用例: 高級ブランドのカタログ、美術館のパンフレット、企業のIR資料、落ち着いた雰囲気の会社案内など。
上質紙:文字中心の印刷物や書き込みに適した定番紙

上質紙は、化学パルプを100%使用して製造されており、塗料が塗布されていない非塗工紙です。そのため、光沢やツヤがほとんどなく、紙本来のざらざらとした質感が特徴です。コピー用紙やノートなどに使われる最も一般的な用紙で、紙の吸水性が高いため、筆記性に優れています。
コート紙やマットコート紙に比べてインクが紙に染み込みやすいため、カラー印刷では色がやや沈んで(暗く)見える傾向があります。そのため、モノクロ印刷や文字中心の印刷物、またボールペンなどで書き込む機会の多い書類に適しています。価格も比較的安価なため、コストを抑えたい場合にも選ばれます。
上質紙の厚み(連量)について
上質紙も連量(kg)で厚みが表現され、幅広い厚みが用意されています。ページ数の多い冊子の本文などによく使われます。
| 連量(kg) | 一般的な用途例 |
|---|---|
| 45kg / 55kg | コピー用紙、薄手のチラシ、本文用紙 |
| 70kg / 90kg | 一般的な書類、報告書、マニュアルの本文 |
| 110kg / 135kg | 会社案内、名刺、厚手の報告書表紙 |
◇使用例: 製品マニュアル、報告書、会議資料、アンケート用紙、書籍の本文、モノクロ印刷のチラシなど。
色上質紙:カラーバリエーション豊富な個性派用紙

色上質紙は、その名の通り、最初から色が付いている上質紙です。様々なカラーバリエーションがあり、印刷なしでも紙自体が持つ色で視覚的な効果を出すことができます。パンフレットの中扉、発表会のプログラム、チケット、書籍の表紙など、特定の印象を与えたい場合に非常に効果的です。

色上質紙の厚みと色の分類
色上質紙の厚みは、一般的な連量(kg)表記ではなく、以下のような独自の表現が使われます。基本的には「上質紙」の厚みに準じています。
- 薄 口: 上質紙55kg相当
- 中厚口: 上質紙70kg相当
- 厚 口: 上質紙90kg相当
- 特厚口: 上質紙110kg相当
- 最厚口: 上質紙135kg相当
- 超厚口: 上質紙180kg相当
また、色上質紙の色は、価格帯によって「A色」「B色」「C色」に分類されています。
| 色の区分 | 特徴 | 価格傾向 |
|---|---|---|
| A色 | B・C色を除く28色の豊富なカラーバリエーション。中間色が多い。 | 基本価格帯 |
| B色 | 黄、みどり、赤、白など、鮮やかで一般的な色。 | A色よりやや高価 |
| C色 | 黒。特定の用途向け。 | 最も高価 |
◇使用例: 発表会プログラム、論文の表紙・中扉、チケット、書籍の遊び紙、パンフレットのアクセントページなど。
レザック66:革のような質感を持つ高級ファンシーペーパー

レザック66は、「レザック」シリーズの中でも特に人気の高いファンシーペーパーです。「レザック」は「レザー(革)」と「ペーパー(紙)」を組み合わせた造語で、その名の通り、カーフ(仔牛の革)のような凹凸のある独特の模様が特徴です。
紙表面の凹凸があるため、インクの乗りが多少悪く、わずかな白抜けが生じる場合がありますが、これはレザック66が持つ風合いの一部であり、ほとんど気にならないレベルです。むしろ、この独特の質感は、箔押しやエンボス(浮き出し)加工との相性が抜群で、これらの特殊加工と組み合わせることで、非常に豪華で高級感のある仕上がりを実現できます。
厚みがあり耐久性も高いため、冊子やプログラムの表紙に最適です。色数も豊富なので、年度や季節、テーマに合わせて色を変えることで、印刷物に独自の個性を与えることができます。
レザック66の厚み(連量)について
レザック66の厚みは、他の用紙と同様に連量(kg)で表現されます。
| 連量(kg) | 一般的な用途例 |
|---|---|
| 100kg / 130kg | プログラム、パンフレットの表紙、挨拶状 |
| 175kg / 215kg | 書籍の表紙、論文表紙、名刺、カード類 |
| 260kg | 高級名刺、厚手のカバー、招待状 |
◇使用例: 論文、報告書、記念誌の表紙、高級パンフレットの表紙、招待状、証書など、特別感や重厚感を演出したい印刷物。
用紙選びは、印刷物の「顔」を決めると言っても過言ではありません。
どの用紙があなたの目的に最適か迷われた際は、お気軽に弊社にご相談ください。長年の経験を持つプロの視点から、最適な用紙と印刷方法をご提案いたします。
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